2012年8月12日日曜日

裏閻魔2は間奏曲、フィナーレが楽しみ

「裏閻魔2」
中村 ふみ

単行本: 329ページ
出版社: エイ出版社
ISBN-10: 4777921417
ISBN-13: 978-4777921416
発売日: 2011/11/15
 

 
1945年、広島。奈津を探すも叶わず、閻魔は失意のまま東京へと戻ってくる。その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。自殺者たちの右手に『鬼込め』があることに気づいた閻魔と夜叉は、梅倖にかつて破門された男の弟子を探しはじめる。一方、〈不老不死〉を求める者たちの魔の手が、牟田家を継いだ惠子にまで伸びようとしていた。死期を悟った信正から、奈津の居所を託された夜叉。戦後復興期の日本で、新たな不死者が誕生する。

内容紹介
第一回「ゴールデン・エレファント賞」受賞後第1作!
新たな登場人物を迎えよりパワーアップした大河ラブロマン
大人気「裏閻魔」シリーズ第2弾!!
~あらすじ~
時は昭和20年、『鬼込め』という特殊な彫り物で不老不死となった宝生閻魔は幕末から変わらぬ姿で生き続けている。
広島で奈津を見つけることが出来なかった閻魔は東京に戻り、失意の日々を過ごしていた。
その頃東京では不可解な事件がつづいており、死者の掌には鬼込めらしき彫り物があった…
鬼込めをできる彫り師「ドヤ蜘蛛」・閻魔の弟子「善哉」など、魅力溢れるキャラクターが続々新登場!
内容(「BOOK」データベースより)
広島で奈津を探すも叶わず、失意のまま東京へ戻ってきた閻魔。その頃、東京では奇妙な自殺騒ぎが続いていた。一方、不老不死の『鬼込め』を求める者たちは信正に代わり牟田家を継いだ惠子にまで魔の手を伸ばす。死期を悟った信正から、奈津の居所を託された


 というわけでパート2。
 前巻のラストでは長崎で対決した閻魔と夜叉だが、今回の発端は9月の広島。
 助けを求める男につれなくされた少女は、弟の死骸を運ぶリヤカーを力なく眺めている。

 そして戦後の混乱のなか、GHQの青年将校がタトゥーで術をおこなう怪人の噂を聞きつけ、閻魔に迫る。 
 閻魔は戦災孤児の善哉を救うのだが、お調子者の善哉は、入れ墨の技を身につけたいと自分勝手に自称一番弟子になってしまう。
 閻魔が頼るのは、明治のころから助けてくれている牟田子爵。今は年老いて寝たきりになっているが、養女にした惠子が代わりの務めを立派に果たしている。
 しかし善哉は牟田の屋敷を抜け出し、よからぬ連中とつるんでいく。
 そのころ、ドヤ蜘蛛というはぐれ宝生の流れをくむ彫り師が、あやしい入れ墨をほどこし、ほった男たちを自殺に追い込むという事件が起こる。

 戦後の混乱期という格好の時代背景で、アヤしい男たちやたくましい女たちが入り交じる。
 死なない男と、せっかく生き延びたのに死に急ぐ男。
 戦災孤児が生き延びていくために選んだ道は、同じ不幸な少女を巻き添えにして悲しい結末に突き進む。

 そして、ライバルだった夜叉と閻魔は共通の敵を相手に、手をたずさえて戦うことに。
 
 この巻は間奏曲。次巻完結、乞うご期待。
 そういえば、ラストにちょこっと出て来た、明治政府の重鎮の子孫・豊田浩一郎というのが、このあと、どう関わっていくのかも気になるところ。
 

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